口内炎の種類
- 2024年3月25日
- お口と歯の情報
時々お口の中に現れる、きっと、皆さんも悩まされた事があるであろう「口内炎」
口の中の粘膜に起こる炎症の事ですが、実はいくつか種類があるんです。
多くの場合、出来る場所や症状が酷似しているので、いったいどの口内炎なのか見分けるのは、
なかなか難しいかもしれません。
今回はそんな、口内炎のお話しをしようかと思います。
アフタ性口内炎
一般的な口内炎の多くはこれに該当します。
赤く縁取られた白っぽい円形の潰瘍で、触れた時の痛みや、食べ物の刺激で痛みを生じます。
通常は1~2週間で自然に治癒していきます。
カタル性口内炎
口の中の粘膜が赤くなって炎症を起こしてしまう口内炎ですが、アフタ性のものとは違い丸いでき物ができない
ので、気が付きにくい物と言えます。
カンジダ性口内炎
常在菌という、健康な人に存在する菌のうちの1つであるカンジダ菌が原因になって生じます。
この口内炎には「偽膜性」と「萎縮性」の2種類があり、それぞれ症状に違いがあります。
偽膜性では、お口の中の粘膜に白い斑点・膜のような物が付着します。
この白い部分はガーゼ等で拭き取る事ができます。
萎縮性は、入れ歯をお使いの方に比較的多くみられます。
これは、カンジダ菌が入れ歯の素材に吸着しやすい性質があるからです。
入れ歯の当たる粘膜に赤みや、ヒリヒリした痛みを引き起こします。
また、入れ歯をお使いでない方でも、ご高齢になるに従い、舌の真ん中や口角に炎症を引き起こしやすくなります。
ヘルペス性口内炎
単純ヘルペスウィルスに感染する事で生じます。
小さな水ぶくれ(水泡)ができるのですが、お口の中の粘膜は、皮膚と違い薄いので、つぶれやすく、つぶれた事で
ビラン、潰瘍となり痛みを生じます。
その他
喫煙により、ニコチンの影響や、薬剤特に抗がん剤、放射線治療でも口内炎が発症する事が確認されています。
口内炎の発生する原因
アフタ性の口内炎の原因は、はっきりした事は分かっていませんが、口の中が不衛生になってしまったり、何らかの理由で口の中の粘膜に傷を
作ってしまった場合以外では、疲れやストレスによる免疫力の低下や胃腸障害、食物アレルギー・ビタミン不足などが考えられると言われています。
カタル性口内炎の原因としては口の中を噛んでしまったり火傷をしてしまった傷、むし歯や歯槽膿漏、ビタミン不足
が考えられます。
カンジダ性・ヘルペス性口内炎は何らかの理由で体の免疫力が低下した時に発生しやすい傾向にあります。
また、カンジダ性口内炎は、気管支喘息に対する吸引薬や口内炎用の軟膏に含まれるステロイドの副作用で菌が増殖する事が要因になる事もあるようです。
口内炎の出来やすい場所
アフタ性口内炎・・・口腔内の様々な場所、唇や頬の内側の粘膜部分、歯肉、舌の側面、さらには喉にできる事もあります。
カタル性口内炎・・・頬の内側の粘膜にできる事が多いようです。
ヘルペス性口内炎・・歯肉や口の中の粘膜にできるだけでなく、発熱や倦怠感を伴う事があります。
また、一般的に小児初発での感染は重症化しやすい傾向にあると言われています。
カンジダ性口内炎・・舌・頬の内側、上顎の粘膜などに現れます。
口内炎を起こす病気
口のなかの状態に関係なく身体の病気が原因で口内炎が起こる場合もあります。
ベーチェット病・手足口病・ヘルパンギーナ・ガン・HIV・糖尿病・潰瘍性大腸炎・尿毒素・クローン病等、様々な疾患が要因になって口内炎が出来てしまう事もあります。
口内炎は通常1~2週間で治りますので、あまり長引いてしまうようであれば、病院への受診をお勧めします。
何科を受診するのか迷ってしまう方もいらっしゃるかも知れません。
歯科だけでなく、耳鼻咽喉科や、胃腸の調子も思わしくないようであれば内科でも構いませんので、是非
受診してみて下さい。