赤ちゃんが欲しいと思ったら口腔ケアも始めましょう|KIKIデンタルクリニック|江戸川橋・神楽坂・飯田橋の歯医者

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赤ちゃんが欲しいと思ったら口腔ケアも始めましょう|KIKIデンタルクリニック|江戸川橋・神楽坂・飯田橋の歯医者

赤ちゃんが欲しいと思ったら口腔ケアも始めましょう

今回は妊娠中の口腔ケアをメインに妊娠前から妊娠中、産後までの口腔ケアについてお話ししたいと思います。

妊娠出産については本やネットなど多くの情報がありますが口の中の情報についてはあまり多くないなと感じました。

私自身が実際に妊娠・出産をして感じた事、悪阻でつらい時の歯磨きのしかたなどや、口の中に問題があると赤ちゃんに

どんな影響があるか。などについてまとめたいと思います。

 

 

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妊娠中の状態は一人一人ちがう

まず覚えていてほしいのは『妊娠中の女性の体や心の状態は一人一人違います』ということです。

とても当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが多くの人は妊娠という人生で初めての経験をすると

自分の今の状態や経過は正常なのだろうか。

赤ちゃんは無事に育っているのだろうかと、日々の小さなことに一喜一憂しがちです。

先輩ママや親せきから、「私の時はこうだった」「こうすると赤ちゃんにいいよ」「妊娠中はこうであるべき」など

様々なアドバイスを受けるかもしれません。

また近年ではネット検索すると、いい意味でも悪い意味でも、簡単に大量の情報を得る事が出来てしまいます。

少しでも自分の状況と違うことを見たり聞いたりすると不安になってしまうので、

なるべく、「医学的に根拠がある」こと、「産科や婦人科の先生やその分野の専門の方が言っている」こと以外は、

そういう考えや方法もあるのね~。くらいに受け止めるほうがいいと思っています。

それくらい、妊娠中の状態は本当に一人一人違うからです。

医療において禁忌(絶対にしてはいけない事)はありますが、これをすれば絶対に大丈夫。といものはありません。

つわりでつらい時の歯磨きの仕方などは私個人の経験から紹介するものですが全員に合うとは限らないので

こういうやり方もあるんだなくらいに覚えていてほしいです。

 

 

つわりでつらい時の歯磨きのしかた

ズバリつらいときは無理に歯磨きしなくていいです。

歯科衛生士という立場でこんなことをいうのはどうかと思いますがこれにはちゃんと理由と補足があります。

まず理由ですが、つわりがひどい時は歯磨きどころではありません。めまいがしたりずっと嘔吐しています。

横になって寝ているのもやっとです。

『つわりがつらい時の歯磨きはできる時にできる範囲で磨く』でよいと思います。

・奥の方に歯ブラシを入れると吐きそうになったりする場合は前歯だけ短時間で磨いて調子のいい時に奥歯を磨く

・磨く時間を短時間にする(この場合は一日のうち何回か磨く)

・歯磨き粉は少量にする、もしくは何もつけずに磨く

・洗口剤で口をゆすぐだけにする

・自分の好みの味の歯磨き粉を使う(私の場合はシトラス系のものが使いやすかった)

・奥歯はヘッドの小さい歯ブラシを使う(舌に触れる面積を小さくすると磨きやすい)

・必ずしも食後に磨かないといけないわけではないので食前食後関係なく磨けそうな時に磨く

 

食後は口の中が酸性になっているので基本的には食後に歯磨きをするのが理想ですが、

妊娠中の短い期間であれば磨ける時に磨く方法でよいと思います。

大事なのはどんな状況でも歯を磨く機会を短時間でも作ることです。

 

 

妊娠中のリスクについて

次に妊娠中にむし歯や歯周病に感染すると母体と赤ちゃんにおこるリスクについてです。

妊娠中に起こる口の中のトラブルで多く見られるのは妊娠性歯肉炎です。

これは歯茎が腫れて歯ブラシやフロスが触れると出血を起こします。

妊娠中はプロゲステロンという女性ホルモンが増えます。

このホルモンが関与して清掃不良の口腔内の歯茎が腫れてしまいます。

次に気をつけたいのがむし歯です。食べつわりなどで常に何か食べ物を口にしている状態は

口の中が酸性になりむし歯ができやすい状態です。

私はコーラやジンジャーエールを飲むと吐き気が少し楽になるのでよく飲んでいましたが、

糖分の摂りすぎと、むし歯を気にして砂糖の入っていない炭酸水なども飲んだりしていました。

更に注意しなくてはいけないのは歯周病です。歯周病の原因の一つにプレボテラインターメディアという菌がありますが

その菌は女性ホルモンをエサにして増えていきます。

また歯周病は歯茎が菌により炎症をおこして腫れたり周りの骨を溶かしていくのですが、この炎症性物質が増えていくと

病巣部からサイトカインというタンパク質が出てきます。

そのタンパク質は出産を誘発する働きもあるので早産をおこすリスクがあります。

 

 

出産後の口腔ケア

出産をするとつわりはなくなりますが、今度は新生児期の三時間ごとの授乳や赤ちゃん中心の生活で

自分のことにかける時間がなくなります。

わかってはいたことだし覚悟もしていたけど予定通りにいかなかったり自分のメンタルも含めてボロボロになります。

この時も妊娠中と同じようにできるときにできる範囲で歯磨きをするというのが大切です。

赤ちゃんに一番身近なお母さんやお父さんの口腔内の環境はそのまま子供の口腔内と密接に関係します。

歯磨きの頻度やタイミング、食事の回数やおやつをよく食べるのかも口腔内環境に関係するので

親の習慣がこどもの口の中にも影響を与えます。

 

 

妊娠中や産後は歯医者にいくのが難しくなる

上記のように妊娠して出産をしても歯医者に行く時間をつくることすら難しく、さらには回数のかかる治療が始まると

通院はもっと大変になります。

赤ちゃんがほしいと思ったら長期的に自分と赤ちゃんのことを考えて普段の口腔ケアをしていく必要があると思います。

でも大切なのは『できる範囲でできるだけやる』ということです。

妊娠中、出産後は精神的にとてもデリケートになります。あまり思いつめ過ぎずに赤ちゃんとの貴重な時間を過ごせたら

素敵だなと思います。

もちろん体調がよくて来院できそうなら、ぜひクリーニングに来ていただきたいです。

歯ブラシの仕方などその方に合ったやり方をお伝えできると思います。

 

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