舌の機能が低下しまうと・・・
- 2025年4月25日
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先日、舌の役割について、お話ししましたが、舌の機能が落ちてくると具体的にどんな事が起こりうるのか。
そんな事を今回お話ししてみようかと思います。
飲み込みにくい
無意識に日々行っている「咀嚼」と「嚥下」。
咀嚼とは食べ物をかみ砕き、飲み込める状態にする。
また、嚥下とは、お口の中にあるものを食道を通し胃に運ぶ機能の事ですが、
様々な要因で影響を受け、飲み込みにくいといった症状を引き起こしてしまいます。
では、飲み込みにくいというのは実際どんな感じなのでしょうか。
飲み込む時にむせてしまう。胸につかえてしまう感じ。言葉では何となく理解は出来ても、実際どんな感じなのか。。
調べてみたところ、実際に体験する方法があるようなので、紹介したいと思います。
(なお、既に、日ごろから飲み込みに不安のある方は絶対に試さないようにしてください。)
まず、お口にお水を含んだ状態で、下顎を前に突き出す(アイーンの様な状態)ようにしてみてください。
そこから、更に前かがみの姿勢をとって、お水を飲み込んでみて下さい。
どうでしょうか。飲み込みにくくなかったですか?
この姿勢を取る事で、舌が下に落ち込んでしまい舌と軟口蓋の間、つまり、お口の中に空間が出来てしまう事で
舌が上手くお口の中の物をまとまられなくなってしまいます。
お口の中の物がうまくまとまらない結果、飲み込みにくくなってしまいます。
飲み込みにくくなる要因
①加齢変化
年齢を重ねていくことで、残念ですが、病気ではなくても筋力が衰えてしまいます。
しっかりと、飲み込む為には喉や舌の周りの筋肉や神経が機能しています。
筋力が低下してしまう事によって飲み込みにくくなってしまう事が考えられます。
加齢変化は、誰もが抗う事は出来ません。
むせ込みやすくなってしまった時は、汁物にとろみをつけるなど、食事の形態に少し変化をつけてみたり、
口を大きく開ける開口運動や、嚥下運動と言われる舌や発声の運動をしていく事が大切になってきます。
② 早食い
速いスピードで食事をしようとしてしまうと十分に噛むことができないままで嚥下を行おうとしていまうので、
むせこみやすくなり、結果飲み込み辛さを感じる事があります。
この場合、ゆっくり、しっかり咀嚼し、適度なペースを保ち、可能であれば固形物だけでの食事ではなく、
メニューに汁物、飲み物を取り込んで頂き、一緒に食べて頂くようにして頂く事でスムーズに飲み込めるかと
思います。
③ 話しながら食べる
食べ物が通過する食道と空気の出入り口の気管とは隣接しています。
通常、嚥下をする時は声帯が閉じて、飲食物や唾液が気管の中に入り込まないようになっていますが、
話しながら飲み込む動作を行う事で声帯が閉じていない状態になりますので、気管に飲食物が誤って入ってしまいやすく
なる為、むせこんでしまいやすくなり、結果飲み込み辛さを感じてしまう事があります。
誤嚥を防ぐためには、お口の中に食べ物が入っている時は会話を中断してみたり、飲み込む動作に入る時は声を出さない
ように心がけて頂くと良いかと思います。
家族・親しい友人との会食はマナーよりも楽しさが勝ってしまいがちですが、誤嚥を避けるためには飲み込む動作に集中
してみて頂く事が必要になってきます。
滑舌が悪くなる
舌の動きが悪くなってしまう事で、滑舌に影響が出てしまう事もあります。
滑舌が悪くなると、会話に影響が出てしまい・・・
会話に支障が出てしまうと、人とコミュニケーションを取りたくなくなってしまう事に繋がってしまう事が
あるかと思います。
口腔内環境の変化
その他にも、口腔内の清掃機能、自浄作用が上手く果たせなくなってしまい、菌の増殖が進んでしまい、
口臭や歯周病の進行を加速させてしまうリスクが高まる事も考えられます。
実際は、自分で舌の機能が低下している事はなかなか実感しにくいかと思います。
低下してしまった舌の機能をトレーニングし、回復させる事が出来るのか、別の機会に検証していきたいと思います。