臭い玉って、なぁに?
- 2024年4月29日
- お口と歯の情報
臭い玉って聞いた事ありますか?
喉の奥、扁桃腺のくぼみ、腺窩と呼ばれる部分に溜まってしまう柔らかい小さな塊で、
白っぽかったり、黄色みがかかった白っぽい色だったり、場合によってはうっすら黄緑がかった色味の事も。
潰すと、「ドブのような」「糞便のような」と現わされてしまうような、悪臭を放ってしまうこの小さな塊。
口臭の原因の1つになり得る事も分かっています。
正式な名前は「膿栓」と言う、この塊について、今回はお話ししていこうかと思います。
膿栓とは
膿栓の出来る扁桃腺は、細菌やウィルスが体内に侵入するのを防いでくれる免疫機能があります。
扁桃腺の表面は凸凹していて、陰窩と呼ばれる窪みがありますが、この窪みに細菌やウイルスの死骸
が溜まりやすくなっています。
膿栓は、この細菌・ウィルスの死骸。それらと戦った白血球・リンパ球といった免疫物質の死骸。さらには
剥がれた粘膜や食べかす等が口腔内にあるミネラル成分によって硬さを帯びたものになります。
膿栓があっても、重大な病気につながったりする事はなく、飲み込んでしまっても問題はありません。
また、くしゃみや咳でお口の外に飛び出てくる事もありますし、日々の飲食で無意識に飲み込んでしまっていることも
少なくありません。
身体に直接的な害はありませんが、硫化水素・メチルメルカプタン・スカトールといった悪臭成分が多く含まれて
いますので、潰すととても強い臭いがします。
この悪臭成分によって、たくさん出来てしまった場合に口臭の原因になってしまいます。
臭い玉の原因と出来やすい人の特徴
扁桃腺自体は、手術で摘出されていなければ、皆さんのお口のなかに存在しています。
誰にでもあるものなので、誰にでも膿栓は出来てしまいます。
ただ、作られやすい方の特徴もあります。
扁桃腺がおおきい
扁桃腺が大きく窪みの部分が大きいと、膿栓の素になる物質が溜まりやすくなってしまいます。
喉や鼻に慢性的な炎症がある・喉が弱い
扁桃腺の炎症を起こしやすい場合や、アレルギー体質などで、慢性的な炎症がある方は、体の免疫細胞が活発に
働いていますので、膿栓の素になる物質が溜まりやすくなります。
口呼吸をされる
鼻での呼吸では、鼻毛や鼻の粘液がフィルターの役割をするので、鼻で多くの異物が除去されますが、口呼吸の場合
フィルターの役割をするものが無く、ダイレクトに喉に細菌等が侵入しやすくなるため、
膿栓の素物質が溜まりやすくなります。
口の中が乾燥している
時期によっては花粉のお薬を内服される方も増えると思います。
加齢変化だけではなく、アレルギーのお薬など、内服薬の影響で、唾液の分泌が抑制されてしまう事もあります。
唾液の分泌が抑制されてしまうと唾液の持つ「自浄作用」が低下し、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
膿栓の予防法
鼻で呼吸をするようにする。こまめに水分補給をする。
ぶくぶく(くちゅくちゅ)うがいだけでなく、がらがらうがいまでする。
磨き残りが少なくなるように歯磨きを頑張る。
顎や耳の下をマッサージして唾液の分泌を促す。
これらを、日常の中で少し意識してみて頂くと、よいかと思います。
また、規則正しい生活を心がけて頂いて、免疫力が下がらないようにして頂くこともとても効果的になります。
規則正しい生活は喉の炎症を起こしにくくしてあげる事に直結しますが、なかなか現代社会では難しい事の方が多いかと思います。
1日3食しっかり食べる。
栄養のバランスが良い食事を心がける。
しっかり睡眠をとる。
疲れやストレスをためない。
適度な運動をする。
夜更かしをしない。
全てを一度に行うとなると、とても難しいかと思います。
休日に出来そうな事があれば、1つでも実施して、自分の体を労わってあげてください。
自分でも目視できる膿栓がある場合
ご自身でも膿栓を取る事ができるとネットで検索すると出てくると思います。
しかし、喉の奥の粘膜の部分になるので、嘔吐反射が出たり、なかなか簡単にはいかないと思います。
もし、どうしても気になるようであれば、耳鼻科の受診をオススメします。
お口の中から喉はつながっていますが、歯科では対応ができませんので、ご了承ください。
歯科で臭い玉を取る事は出来ませんが、口腔内と喉はとても密接な部分になるので、今回取り上げてみました。
少しでもお役に立ちますように。。。