インプラント治療について①~インプラントとはどんなものか~
- 2024年8月26日
- 治療
インプラントとはどんな治療なのか。メリットやデメリット、注意しなければいけないことについての話をしたいと思います。
インプラントとはどんなものか
失った歯の部分の顎の骨に人工の歯の根となる器具を埋め込みその上に人工の歯を取り付け咬めるようにする治療です。
多くの方は歯茎から上の見えている人工の歯をインプラントだと思っている方が多いですが、実は骨の中に埋め込む見えない人工歯根も含めてインプラントです。
とても簡単に言うと骨に直接歯の土台をたて、歯をつくります。
インプラント以外の治療法
失った歯を取り戻す方法はインプラント以外だと2つあります。「入れ歯」と「ブリッジ」です。
治療ではありませんが失った部分に何もせずそのままにするという選択肢もあります。
ブリッジの場合
入れ歯の場合
インプラントが一番素晴らしくて良い治療というわけではなく、人によって口の中の状況や生活環境,今後のライフスタイルによって合う治療法が違います。
今回はインプラントについて説明したいと思いますので歯を失った時の参考にしたり現在インプラントをしようか迷っている方の情報の1つになればいいなと思います。
インプラント治療のメリット
最大のメリット「元の自分の歯とほぼ同じように噛むことができる」
入れ歯の場合、噛める力は自分の歯の半分以下と言われています。硬い物や野菜のような繊維質の食材は入れ歯で噛むのはとても難しいです。
また入れ歯は口の中の異物感が大きく、温かさや冷たさや食感が感じにくいのでインプラントの方がより美味しく食事ができます。
ブリッジの場合は自分の歯とほぼ同じように噛めますが両隣の歯を支えにしているので残っている歯に負担がかかります。
長期的に見ると支えになっている歯を失う可能性がでてきます。
他の健康な歯を削らずにすみます
ブリッジを選択した場合、失った歯の両隣の歯を削りつながった状態の被せものをします。入れ歯に比べれば異物感は少ないですが健康な歯を削らなくてはいけません。
またブリッジは繋がった被せ物をセメントで固定してしまうので歯と歯の間が磨きにくくなります。
失った歯の本数が多い場合は支えとなる歯に負担がかかりすぎてしまいブリッジが適応できない場合もあります。
審美的に美しい
保険適用の被せ物の場合自分の歯の色と全く同じように作ることは難しく、強度をもたせるために金属を使用します。
入れ歯の場合も部分的に金属が見えたりします。
インプラントの場合ケースにもよりますが最終的な被せ物はジルコニアやセラミックを使うためとても自然な見た目になります。
取り外さずにケアできる
インプラントは骨に埋め込みその上に被せ物の人工歯をつけるので入れ歯のように歯磨きのたびに取り外しをせずに済みます。
普段の歯磨きと同じように歯ブラシとフロス、歯間ブラシなどでケアできます。
入れ歯の場合外した入れ歯と自分の残っている歯の両方をケアしないとなりませんし、外した入れ歯を失くすこともありません。
インプラント治療のデメリット
外科処置を伴う
入れ歯やブリッジと比べて一番大きく違うのはインプラントをするには外科処置が必要になることです。
麻酔をしますがケースによって痛みや腫れが出る場合もありますし痛みの感じ方は個人差があります。
それから糖尿病や重度歯周病、高血圧、心疾患などの既往がある方はインプラント手術ができない場合があります。手術が可能な場合でも全身状態の管理が必要になります。
インプラントを埋め込む骨の状態や質にも気をつけなくてはいけません。
費用が高額
インプラントは自由診療になるため健康保険が適用できません。そのため費用が高額になります。
手術したい部分の骨の量が少なければ人工の骨を足したり、正確に処置を行うために口腔内のガイド作成したりします。
適正にインプラントを行うために必要な工程がいくつもありそれぞれに費用がかかってきます。
治療期間が長い
手術を行う前に口腔内の検査をしたり計画をたてます。埋め込む手術が終われば完成ではなくインプラントが骨に結合するまで治癒期間をあけます。
そこから更に被せ物の歯を作っていくのでシンプルなケースでも全て終わるまでに数カ月かかります。
入れ歯やブリッジの場合は数回の来院で治療を終えることができます。
上記のようにインプラントにはたくさんのメリットもありますが注意しないといけないこともあります。
どの方法が自分に合っているのか治癒法を選ぶ時の参考にしていただきたいです。
次回、インプラントについて②では実際のインプラント治療のながれとインプラントが入った場合の口腔ケアについて説明したいと思います。