姿勢と歯並び
- 2023年6月30日
- 矯正
姿勢と歯並び
「お子さんの姿勢はどうですか?」
患者さんが矯正相談にいらした時、必ず保護者の方にお子さんの姿勢についてうかがうようにしています。
その質問に「うちの子は姿勢がいいです!」という親御さんは残念ながらほぼいません。
皆さんが、「うちの子の姿勢はひどいです!」「ずっと気になっていました・・・」
「いつも姿勢よくしろと言ってるんですが・・・。」と口をそろえておっしゃいます。
ひと昔前と比べ、現代生活はあらゆることが便利になったために、体を動かすことが極端に減りました。
畳にちゃぶ台での食事がテーブルとイスになり、布団の上げ下ろしもなくなりベッドに、トイレは和式から洋式に。
立ったりしゃがんだりの動作がなくなり、今では和式トイレを使えない、しゃがめない子どもも増えました。
日常の、水道の蛇口をひねる動作や雑巾絞りをするなどの動作もなくなり握力も弱く、ペットボトルが開けられない
など手先が器用に使えない子も多いようです。
もちろん子どもの遊び方も変わって、テレビゲームやスマホゲームなどが中心で、木登りや、
公園の遊具やボールなどを使う遊び、昔でいえばコマ回しやメンコ、ビー玉遊びのような、
体を使った遊びをすることが極端に減ってしまいました。
最近ではコロナでの影響も特に多いでしょう。都内ではお子さんの遊び場が足りないという問題もあります。
よく見かけるお子さんの姿勢といえば、いちばん多いのは、骨盤が後傾してお尻の後ろの方で座り、猫背になり、
首の後ろをポキッと折って、あごが上がってしまっている姿勢。
もしくは、ソファなど後ろに寄りかかって丸い背中で足を投げ出して座り、スマホやゲームをする姿勢。
食事中はというと、同じくお尻の後ろの方で座り足はぶらぶら、左手を椅子についたり、片足を椅子にあげてしまったり、
顔がお皿に近づいて犬食いという姿勢。すぐに足を組んでしまう子も多いです。
思い当たる節があるのではないでしょうか?
全身は皮膚や筋肉とそれを包む筋膜により繋がっています。
消化器などの内臓も口腔から肛門まで繋がっています。
悪い姿勢をしていると、その繋がった筋肉や臓器などにひっぱられてしまうことで、
お口をぽかんと開けてしまうことになったり、舌が下がりうまく使えなくなってしまうことになります。
そしてお子さんの正しい口腔周囲筋の機能を育てることができず、あごの発達を抑制してしまうことにつながり、
結果歯並びが悪くなってしまうのです。
下あごは、それ自体に可動性のある二つの関節によってぶら下がった特殊な骨です。
上下の歯が軽く触れる状態にして、上を向いたり下を向いたり、または真っすぐ前に顔を出したり
後ろに下げたりしてみてください。頭の動きと反対に下あごが動いているのがおわかりになるでしょうか?
上を向いたり前に動かしたりすれば下あごは後ろに下がり、下を向いたり後ろに動かしたりすれば
下あごは前に出てくるのです。
例えばいちばん多い猫背の姿勢の場合、首が前に出てあごが上がってしまうので、下あごは後ろに下がり、
唇は開きやすくなり、舌は後下方にひっぱられ、奥歯のみが当たってくる咬み合わせになってきます。
皮膚もつながっていますから、顔は垂れ目になり口角は下がり、中から舌が押し広げる力のない歯列を
頬の圧力によって狭めていきます。
いい歯ならびになる3つの基本姿勢
・常に鼻で呼吸をし、唇が楽に閉じられること
・舌が上あごに広くぴったりとついていること
・上下の歯は離れていて噛みしめたり触れてもいないこと
いい歯ならびになるためには3つ基本姿勢があります。このいい姿勢を満たすためには
鼻呼吸ができることも大前提ですので、花粉症やアレルギー性鼻炎についても対処していくことも、
いい歯ならびに育てるために大切なことになります。
当院では、毎月矯正無料相談会を行っておりますので、気になる事がありましたらお気軽にご相談下さい。